みなさんが普段なにげなく楽しんでいる料理のなかには実はその元祖が存在します。
カツサンド、たらこパスタ、モンブランなど……
どれも一度は口にしたことがある定番メニューですが、それらの発祥のお店をご存知ですか?
カツサンドはサクサクの衣がたまらない洋食の定番、たらこパスタはシンプルながらも深い味わいが魅力、そしてモンブランは栗の風味豊かなスイーツの王様です。
そこでTOKYO LOCALでは、これらの料理が初めて誕生した場所やその背景にあるストーリーを7つご紹介いたします。
この記事を最後まで読んだあとは、次の日に学校や会社で友達や恋人に知識の披露をしちゃいましょう。
美味しい料理のルーツを知ることで、会話が盛り上がりさらに食事が楽しくなりますし、そのお店に出かけるきっかけにもなりますよ。
煉瓦亭(オムライス・ポークカツレツ)
明治28年創業の老舗の洋食屋さん。
こちらは「オムライス」と「ポークカツレツ」の発祥の地として有名です。
看板メニューである「元祖オムライス」は、普段食べているオムライスとはまったく別物!
チキンライスを卵でくるんでいるのではなく、なんとチキンライスと溶き卵が混ざっています。
タマネキ、ひき肉、マッシュルームという超シンプルな具材が卵と一体化していて絶品。
卵が固まりすぎていないので、半熟のとろーり食感が楽しめます。
他にも、普段われわれが目にしている「明治誕生オムライス」も人気。
こちらは、昔ながらのオムライスの味を楽しめますよ。
続いて「元祖ポークカツレツ」は、トンカツの原型。
この店の初代がコートレット(仔牛肉のカツレツ)に着想を得て開発した日本独自の料理です。
普段、われわれが食べている料理の元祖が2つも食べられるお店ですので、ぜひカップルで来店して両方のメニューをシェアして食べてみてくださいね。
- 煉瓦亭
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- 場所
- 東京都中央区銀座3-5-16
- アクセス
- 東京メトロ銀座線「銀座駅」A10またはB1出口より徒歩3分
- 営業時間
- 11:15〜15:00(L.O. 14:00)、17:30〜21:00(L.O. 20:00)
- 定休日
- 日曜日
- 予算
- 【夜】¥2,000~¥2,999【昼】¥1,000~¥1,999
- 注記
- 諸状況により、掲載情報から変更されている場合があります。事前に施設・店舗までお問合せいただくか、公式サイト等で最新情報をご確認ください。
井泉(カツサンド)
ちょっと贅沢でボリュームたっぷりのサンドイッチである「カツサンド」。
コンビニでも人気のこの商品は、昭和10年(1935年)に東京湯島にある井泉本店の初代女将が生み出しました。
地域柄、上野は花街と呼ばれたくさんの遊女や芸者が集まっているなか、「彼女たちが手を汚さずに食べられるものを」というコンセプトのもと、小ぶりのサンドイッチにトンカツを挟んだものがカツサンドの始まりです。
小ぶりなサイズにしたというのも、女性ならではの気配りが見えます。
もちろん、テイクアウトでも購入可能です。
しっとり柔らかい肉に控えめな甘さのソースがかかっていて、それが薄切りの食パンとの相性バッチリ。
カツサンドでボリュームはあるけれど、重すぎず、女性に配慮した美味しさになっています。
当時の女性たちは、こちらのカツサンドをお座敷のあいまにサッと食べて仕事に戻ったんですね。
そんな風景に想いを馳せて注文してみてはいかがでしょうか。
- 井泉
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- 場所
- 東京都文京区湯島3-40-3
- アクセス
- JR「御徒町駅」より徒歩3分
東京メトロ「日比谷線」仲御徒町駅より出口A4より徒歩5分
東京メトロ 銀座線「上野広小路駅」出口A4より徒歩1分
都営大江戸線「上野御徒町駅」出口A4より徒歩1分
東京メトロ千代田線「湯島駅」出口4より徒歩5分
都営バス 上野広小路バス停下車 徒歩1分
- 営業時間
- 【月・火・木・金・土】11:30〜20:50(L.O. 20:40)
【日・祝日】11:30〜20:30(L.O. 20:20)
- 定休日
- 水曜日
- 予算
- ¥1,000~¥1,999
- 注記
- 諸状況により、掲載情報から変更されている場合があります。事前に施設・店舗までお問合せいただくか、公式サイト等で最新情報をご確認ください。
銀座スイス本店(カツカレー)
1947年(昭和22年)という戦後まもないころに、この店でカツカレーは生まれました。
発案は巨人軍の「千葉繁氏」。
彼は巨人阪神戦のまえに食事をするために、こちらのお店に立ち寄りました。
その際にオーダーしたのが「カレーライスにカツレツを乗せてくれ」というものだったのです。
今ではあたりまえになっていることですが、当時はまだカレーライスにトッピングをするという文化自体がなく、かなりのぶっ飛んだオーダーでした。
元々千葉氏はカレーライスが大好物でした。
またカツレツに関しては、「カツ」が転じて「勝つ」というゲンかつぎから、彼は頻繁に試合前に食べていたと言います。
それを同時に食べようという発想からきたのでしょう。
当時は彼の限定メニューとして出されていたカツカレーですが、時代が進み現在では「千葉さんのカツレツカレー」として提供されています。
明治28年に煉瓦亭でカツレツが生まれ、昭和10年にカツサンドとしてアレンジされ、さらにそのカツレツが昭和22年にプロ野球選手のアイデアからカレーライスと合体したというのがロマンですよね。
珈琲館紅鹿舎(ピザトースト・ツナトースト)
日比谷駅、有楽町駅から徒歩ですぐの場所にある昭和32年創業の老舗喫茶店。
こちらのお店では元祖ピザトーストが食べられます。
これは、イタリアンレストランはおろかオーブンやピザ窯などもない時代に「手間のかかるピザを、もっと手軽に食べられないか?」という発想から考案。
現状ある設備のなかで、どのようにしたらピザを提供できるかという点に着目して1964年に生まれました。
あらかじめ切れ目が入っているトーストに、オランダ産のチーズをたっぷり乗せて焼きあげた一品は表面はカリカリで、なかはモチモチの食感が楽しめます。
ピーマン、ベーコン、マッシュルームなどの基本的な具材がトッピングされたシンプルなピザトーストは、懐かしい味わいで食べごたえもバッチリの一品です。
また、こちらの店舗は「ツナトースト」の発祥の地でもあります。
優しい味わいの一品ですので、友達やカップルと訪れてぜひ両方食べてみてくださいね。
- 珈琲館紅鹿舎
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- 場所
- 東京都千代田区有楽町1-6-8 松井ビル 1F
- アクセス
- 東京メトロ 日比谷線、千代田線、都営地下鉄 三田線
日比谷駅下車 A4出口より徒歩2分
JR有楽町駅より徒歩4分
- 営業時間
- 【月〜金】11:00〜23:00
【土日】10:00〜23:00
- 予算
- ¥1,000~¥1,999
- 注記
- 諸状況により、掲載情報から変更されている場合があります。事前に施設・店舗までお問合せいただくか、公式サイト等で最新情報をご確認ください。
MARUZEN café(ハヤシライス)
ハヤシライスを漢字で書くと「早矢仕ライス」ということはご存知ですか?
これは、丸善の創業者である早矢仕有的(はやし ゆうてき)氏が考案したことで、この名前がつきました。
こちらのお店は日本橋にある1869年創業の歴史ある書店「丸善」の3階で書店に付随したカフェとして営業しています。
当時、肉食がまだ一般的になっていなかった時代、医者としての顔も持っていた早矢仕有的氏が患者産や病院で働く人の滋養強壮のために肉や野菜を煮込んだ料理を振る舞ったのがきっかけ。
そこで提供されたのが前述の「早矢仕さんのライス」であり、それが現在の「ハヤシライス」の原型になりました。
ただし、これには諸説あるため、一説では幕末のころにはすでにこれに近いメニューもあったというものもあります。
いずれにしても、ハヤシライスを一般的に広めたのは、間違いなくこちらのお店ということには変わりありません。
丸善のハヤシライスは、一般的な洋食屋のものとくらべてソースの色が濃く、甘味が強いのが特徴。
長年継ぎ足されているデミグラスソースは歴史を感じる味わいになっていますので、ぜひ一度食べてみてくださいね。
壁の穴 渋谷本店(たらこスパゲティ)
1953年にこちらのお店の前転浦(西新橋)で「たらこパスタ」は生まれました。
まだイタリア料理に馴染みがなかった時代のある日、この店を訪れた客が「このキャビアをスパゲッティに乗せてくれ」とオーダーしたのが始まりです。
そこから着想を得て、創業者の成松孝安氏が、日本人にとって身近なものを掛け合わせたら美味しいスパゲティができるのではないかと考え生まれたのが「たらこスパゲティ」です。
また、こちらのお店ではその後も「日本の食材」をスパゲティを掛け合わせて研究し、今ではあたりまえに食されている納豆やうになどを使用したパスタも開発。
その数は200種類以上で「和風スパゲティの元祖」とも呼ばれています。
その後、現在の渋谷に移転し、変わらず元祖たらこスパゲティを提供するお店として人気を博しています。
こちらのお店のたらこスパゲティの特徴は、のりが別皿で提供される点。
しかも刻み海苔ではなく四角く切られた大きめののりになっています。
それを手でちぎってあとからパスタにかけて一緒に食べる形です。
ちぎり方によってパスタと一緒に食べたときの味や食感が変わりますので、自分にとってのベストなサイズのちぎり方を探してみてくださいね。
- 壁の穴 渋谷本店
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- 場所
- 東京都渋谷区道玄坂2-25-17 カスミビル 1F
- アクセス
- 京王井の頭線【渋谷駅】徒歩3分
東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線【渋谷駅】徒歩3分
JR山手線・埼京線、東京メトロ銀座線【渋谷駅】徒歩5分
東京メトロ半蔵門線、東急東横線【渋谷駅】徒歩7分
- 営業時間
- 【月・火・水・木・金】11:30〜16:00(L.O. 15:00)、17:00〜22:00(L.O. 21:00)
【土・日・祝日】11:30〜22:00(L.O. 21:00)
- 定休日
- 施設に準ずる
- 予算
- ¥1,000~¥1,999
- 注記
- 諸状況により、掲載情報から変更されている場合があります。事前に施設・店舗までお問合せいただくか、公式サイト等で最新情報をご確認ください。
モンブラン(モンブラン)
ケーキのモンブランはフランス語で「白い山」の意味。
そんなモンブランに感動して開発されたのが、ケーキのモンブランです。
モンブランケーキの生みの親は、自由が丘のお店「MONT-BLANC」の創業者・迫田千万億(さこた・ちまお)シェフ。
彼はかつてヨーロッパを訪れた際に見た白い山「モン・ブラン」に感動し、その山を模して1933年にモンブランを生み出しました。
こちらのお店モンブランの特徴は、サクサクの生地のうえに細く絞り出された黄色のマロンクリームが乗り、さらにトップにはフワフワのメレンゲが添えられています。
サイズは大きめでボリュームもたっぷり。
また、昔ながらのバタークリームの味わいが懐かしいのもポイントです。
ボリュームはあるけれど、決して重すぎないので案外ペロリと食べられる絶品スイーツになっています。
お店の雰囲気も素敵で、テラス席もありますよ。
現在は移転して、同じ自由が丘のカトレア通りで営業をしていますので、新店舗にも足を運んでみてくださいね。
まとめ
以上、東京都内に普段なにげなく食べているグルメの発祥のお店を7店舗ピックアップしてご紹介してきましたが、お目当てのお店は見つかったでしょうか?
どのお店も本当におすすめしたい名店ばかりなので、ぜひ足を運んでみてくださいね。